ITやプログラミングの勉強をしていると目にする機会が増える統計検定。
統計検定は一般にビジネスで使用するレベルの知識は2級からと言われていますが、4級から受験せずに、いきなり2級から取得することはできるのでしょうか。
結論から言うと、いきなり統計検定2級を受験し、合格することは可能です。
私自身、非ITの技術職に勤めていますが、独学でいきなり統計検定2級に合格することができました。
この記事では私の合格までの体験を元に合格までの勉強法、勉強時間から当日までの流れまで紹介します。
そもそも統計検定2級とは?
「一般財団法人 統計質保証推進協会」のホームページによると、
「統計検定2級は、この参照基準に示されている大学基礎科目レベルの統計学の知識の習得度と活用のための理解度を問うために実施される検定です。」
※この参照基準とは「大学における「統計学分野の教育課程編成上の参照基準」
と記載されています。大学規則科目レベルの統計学の知識の習得度を確認する試験です。
とはいえ求人情報の中には統計検定2級相当の知識を有している方向けの募集があるほど、価値がある資格といえます。
試験内容は下記のとおりです。
出題形式 | 4~5肢選択問題 |
問題数 | 35問程度 |
試験時間 | 90分 |
合格水準 | 100点満点で、60点以上 |
公式HP | https://www.toukei-kentei.jp/exam/grade2/ |
なお、試験はCBT方式です。
勉強時間
私の場合、資格取得までの勉強時間は80時間程度でした。
ちなみに、受験前の私の紹介です。
- 非ITの製造業勤務
- 理系で大卒。しかし、大学卒業から10年以上経過
- 業務上、統計学を使用する機会なし
統計学は全くの初学者で、基礎理論からのスタートだったので勉強時間はかかった方かもしれません。
勉強法
統計検定2級に合格するまでに行った勉強法を紹介します。
- 書籍を読んで基礎を学ぶ
- 基礎問題集を解いて問題の概要を知る
- 過去問を解く
以上です。
時間はかかりますが、シンプルなやり方です。
1.書籍を読んで基礎を学ぶ
資格の勉強法を検索すると、過去問を最初に解いてから参考書で知識を補完していくといった方法を紹介しているサイトもありますが、それはある程度前提知識があるときの話で初学者には悪手だと思っています。
なぜなら、初めは何も分からず躓く上に調べ方が分からないからです。
知識ゼロで過去問に挑むと挫折しかねないので初めは丁寧にやりましょう。
いくつか参考書を読みましたが、その中でもおすすめは「完全独習 統計学入門」です。
Amazon.co.jp
とにかく初心者にやさしく書いてありますので、統計学がどのようなものか最初に学ぶには最適です。
数式をほとんど書いていないので、いきなり問題を解けるレベルにはならないかもしれませんが、その分何をしているのか理解するために役に立ちます。
また、スキマ時間には統計WEBの統計学の時間を読んでいました。
スマホで見ることができるので、外出中でもスマホを触る時間があれば少しずつ勉強できます。内容も分かりやすいのでおすすめです。
ここでの勉強は深く読み込まなくても概要を学ぶだけで十分です。
具体的な計算は問題を解きながら少しずつ身に付いていきます。
2.基礎問題集を解いて問題の概要を知る
次に「日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[CBT対応版]」を解きました。
Amazon.co.jp
正直に言いますが、ここが一番辛いと思います。
なぜなら、テキストを読んだだけでは問題が解けないうえに初めは解説が理解しづらいです。
理解できることに越したことはないですが、全ては無理だと思うので、ここではどのような問題があるのか、参考書のどのページに該当するのかなど意識して進めていけばいいです。
3.過去問を解く
ある程度の試験範囲の学習と問題の傾向が分かるので、あとは過去問を解きます。
数回分の過去問は公式ホームページにも公開されていますが、解説がついていないので、公式問題集を購入した方がいいです。
ちなみに、この問題集は書店に置いてないことが多いです。私は数店舗回ってもなかったので結局ネットで購入しました。
当日の試験時間は90分なので、実際の試験と同じように時間を測りながら問題を解いていきます。
35問に対して制限時間が90分なので1問あたり約3分で解かないといけません。実際に解いてみると意外と時間がないことに気付くと思います。
私は最終的に4年分解いて7割近く取れるようになりました。
ちなみに2021年6月はかなり難しいので、解けなくても落ち込みすぎないようにしてください。
試験の申込と当日の流れ
試験はネットで申し込みができます。
簡単にですが、流れを説明します。
まずは統計検定のホームページにアクセスして、お近くの試験会場を探します。
都道府県を選択すると試験会場のリストが表示されるので、近くの会場を選択してください。
ページが開いたら、試験実施日を確認して会場のホームページへアクセスして試験日を申し込んでください。
申込みが終わったらOdysseyのID登録を行ってください。
試験結果などの通知が届くようになります。
過去問を解き始めたくらいで頭に入れておいてほしいのですが、いざ試験を受けよう!と思っても試験日は結構埋まっていて、申し込んだ日から最短でも2週間程度はかかります。
合格レベルに到達する目処が立って申し込んでも予め試験日を決めて逆算して勉強してもいいと思いますが、試験日が決まらないことでモチベーションが下がることだけは避けたいです。
私見ですが、2年分くらい解いたあたりで試験日を決めて、そこから逆算して勉強した方がいいと思いました。
私は来週受けたいと思って2週間伸びたので、数日気持ちが落ちてしまいました。先に試験日を決めてしまった方が勉強にメリハリがつくと思います。
当日準備するもの
必要なものは電卓と身分証明書です。
ここで注意して欲しいのは、関数電卓は使用できないことです。
問題を解いていると三乗根が出てくるので検算も兼ねて使用することがあるかもしれませんが、試験要項には禁止していると記載があるので、通常の電卓を使ってください。
実際の試験では三乗根が必要な問題が出題されても式までしか問われないので、計算ができなくても問題ありません。
試験はCBT方式でパソコンを使用して見ながら4択の問題に回答していきますが、計算に必要な用紙やペンは会場で支給されます。
計算用紙とペンは会場で支給されます。
試験当日
私の場合は当日新しいことをやってしまうと混乱してしまうので、今まで解いた問題集や自分で作った公式まとめノートを見て復習していました。
ここまで頑張ってきたら当日は緊張します。
当日緊張するのは、試験に向き合ってこれまで本気で頑張ってきた証拠です。
緊張するほど頑張った自分を信じて試験を受ければ合格できるはずです。
試験の内容に触れるようなことはここでは記載しませんが、試験中は慎重になりすぎるので、時間配分には注意をしてください。
こちらは私の試験の結果です。
試験が終わってアンケートに答えた瞬間に画面上に点数と合否が現れるので、結果はすぐに分かります。
最後に
統計検定2級は少し専門的な分野ですが、高校数学でも十分戦えるため、基本的な知識が身につけば資格の取得は十分可能と考えています。
資格取得後はデータ分析の基礎が身に付いているので、仕事で活かせる場面が出てきます。
そして、身の回りに統計学が使用されることが多いことに気がつくはずです。
知れば知るほど、興味が湧いて更に勉強したくなる、そういう魅力を持った学問です。
今回の記事が統計検定2級を取得したいと思う気持ちに明確なイメージを持たせる助けになると嬉しいです。
コメント